当院では名誉院長 岩崎 孝一 先生(北野病院 元主任部長)のご指導のもと、積極的に顔面痙攣や三叉神経痛に対し、手術治療を実施しています。
昨年夏の岩崎 名誉院長 就任後10人目となる顔面痙攣(Ⅶ)の顕微鏡下手術治療(微小脳血管減圧術)を実施しました。
手術写真は岩崎 名誉院長ご指導のもとでの佐々木 院長執刀 顕微鏡下手術風景です。
顕微鏡下手術 視野では左椎骨動脈(VA)が大きく顔面神経(Ⅶ)の神経出向部(REZ)を圧迫していましたのでまず椎骨動脈(VA)を移動して硬膜に生体接着剤で固定移動(transposition テクニック)します。
ただ実際は椎骨動脈だけでの顔面痙攣は少ないためさらに探索し前下小脳動脈(AICA)が小さいながらも2本で顔面神経(Ⅶ)神経出向部(REZ)を圧迫していたのでこれについては大きな移動が穿通枝血管の兼ね合いでできないため、前下小脳動脈(AICA)と顔面神経(Ⅶ)神経出向部(REZ)の間にスポンジを留置して顔面神経を完全解放しました。術後直後から顔面痙攣は消失しています。
尚、開頭部位 耳の後ろをできるだけ小さく実施するようにしています。
当院の特徴は術中モニターを徹底した安全性を重視する手術です。
1番弱いとされる聴神経や顔面神経の損傷を最小限に回避すべく麻酔科や検査技師の協力を得ながら必ず実施しています。
またこの写真は三叉神経痛の微小脳血管減圧術の岩崎孝一 名誉院長執刀の術中風景(佐々木院長アシスト)です。
顕微鏡下手術 視野では三叉神経(Ⅴ)出向部(REZ)が上小脳動脈(SCA)に圧迫されていたことから、上小脳動脈(SCA)を生体接着剤を使用して移動接着することで三叉神経(Ⅴ)出向部(REZ)を完全解放します。術後即時に三叉神経痛は改善されています。
また、この手術でも同様に開頭部位はできるだけ小さくするように工夫しています。
顔面痙攣や三叉神経痛にお悩みの患者様は、岩崎 孝一 名誉院長、佐々木 院長の外来でお気軽にご相談ください。
植林 明日香