ボトックス治療外来(肉毒杆菌毒素)

ボツリヌス菌(食中毒の原因菌)が作り出す天然のたんぱく質(ボツリヌストキシン)を有効成分とする薬を筋肉内に注射する治療法です。
ボツリヌストキシンには、筋肉を緊張させている神経の働きを抑える作用があります。そのためボツリヌストキシンを注射すると、筋肉の緊張をやわらげることができるのです。

ボツリヌス菌そのものを注射するわけではないので、ボツリヌス菌に感染する危険性はありません。
この治療法は世界80ヵ国以上で認められ、広く使用されています(2010年10月現在)。

日本では、手足(上肢・下肢)の痙縮、眼瞼(がんけん)けいれん(瞼が下がってきてしまう病気)、片側顔面(へんそくがんめん)けいれん(顔の筋肉が収縮する病気)、痙性斜頸(けいせいしゃけい)(首が斜めに曲がってしまう病気)、小児脳性まひ患者の下肢痙縮(けいしゅく)に伴う尖足(せんそく)(つま先が伸び、かかとが床につかない状態)に対して認可されています。

ボツリヌス療法の効果

注射後2~3日目から徐々にあらわれ、通常3~4ヵ月間持続します。その後、数週間で効果は徐々に消えてしまうので、治療を続ける場合には、年に数回、注射を受けることになります。ただし、効果の持続期間には個人差があるので、医師と症状を相談しながら、治療計画を立てていきます。

副作用

ボツリヌス療法を受けた後に副作用として次のような症状があらわれることがあります。これらの症状は多くが一時的なものですが、症状があらわれた場合には医師に相談してください。
・注射部位がはれる、赤くなる、痛みを感じる
・体がだるい、力が入らない、立っていられない。
ごくまれに次のような症状があらわれることがあります。これらの症状があらわれた場合には、すぐに医師に相談してください。
吐き気がする・呼吸が苦しい・全身が赤くなる・物が飲み込みにくい・けいれんが起こる
※この他にもボツリヌス療法を始めた後に、何かいつもと違うなと感じることがありましたら、医師に相談してください。

痙縮

脳卒中でよくみられる運動(機能)障害の一つに痙縮という症状があります。痙縮とは筋肉が緊張しすぎて、手足が動きにくかったり、勝手に動いてしまう状態のことです。
痙縮では、手指が握ったままとなり開こうとしても開きにくい、肘が曲がる、足先が足の裏側のほうに曲がってしまうなどの症状がみられます。
痙縮による姿勢異常が長く続くと、筋肉が固まって関節の運動が制限され(これを拘縮(こうしゅく)といいます)、日常生活に支障が生じてしまいます。また、痙縮がリハビリテーションの障害となることもあるので、痙縮に対する治療が必要となります。 

GA(technique of Gushing Acetylcholine)

GAとは、ボトックス施注後3時間以内にアセチルコリンと呼ばれる神経筋伝達物質の放出量を増やして、ボトックスの吸収を効果的に促す方法で、2012年12月より当院で実施しているリハビリテーションテクニックです。当院の最寄り駅である「放出(はなてん)」とアセチルコリンの「放出(ほうしゅつ)」という言葉に運命を感じ、Gushing(放出させる・溢れさせる)という言葉を用いて「アセチルコリンを放出させる技術(technique of Gushing Acetylcholine 以下GA)」という名前にしました。
 GAの効果について我々は2012年6月~2013年1月末までにボツリヌス療法を実施したGA実施・非実施のどちらも経験された患者様15名を対象に検査データの分析を行いました。結果、実施群80%の患者様で改善を認めたのに対し非実施群では47%の患者様でしか痙縮の改善を認めなかったということがわかりました。このことを受け各種脳卒中関連の学会でボツリヌス療法直後にGAを行う必要性について報告しています。
 当院における痙縮治療は、ボツリヌス療法とGAで効果的に痙縮を改善させる事を可能としています。また介護保険サービスが利用可能な方には、ボツリヌス療法で痙縮が改善している間に積極的なリハビリテーションが実施できるように「ボツリヌス療法特化型 通所リハビリテーション パワ☆リハ」をお勧めしています。「パワ☆リハ」では、マシーントレーニングはもちろんのこと、随意運動介助型電気刺激装置IVESを用いた神経筋再教育訓練や、装具の作成を行う事で機能回復や動作能力向上を目的としたリハビリテーションが行えます。
 ボツリヌス療法はGAと継続したリハビリテーションの併用が必須です。詳しくはボトックスチーム・リハビリスタッフまでお声掛けくださいます様よろしくお願いします。
(ボツリヌス療法に関する業績)

痙性斜頸

痙性斜頸は、成人に発症する局所的な不随意運動で、首や肩の周りの筋肉が異常に緊張することによって、頭の位置が正常ではなくなってしまう病気です。多くの場合は、他の症状が認められないですが、脳性麻痺や薬物依存による痙性斜頚も存在します。
 痙性斜頸の原因は、多くの場合は、脳内の運動を抑制するシステムが機能障害を起こすことによって生じると考えられていますが、日ごろ不自然な偏った姿勢での作業、疲労、心理的ストレスなども原因の一つとされます。
 一度、痙性斜頚が出現すると、頚部の動きに制限され、痛みなども伴うため、早めの治療をお勧めします。初めは筋肉のこわばりだけでも、長期的化すると正しい状態と脳が学習してしまい改善が難しくなります。また、関節の変形を起こす可能性があり、変形を起こすと、最悪の場合は外科的治療も必要となることがあります。
 痙性斜頚の治療として、ボツリヌス治療はアメリカやヨーロッパのガイドラインで、それぞれグレードA(強く進める)治療薬とされており、各国で第一選択として使用されています。「痙性斜頚でお困りの方」、「ひょっとして痙性斜頚かな」と悩んでおられる方も、いつでもお気軽にご相談ください。 

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 SCU(脳卒中ケアユニット)・ICU(集中治療室):
  平日 午後14:00~15:00 / 午後19:00~20:00
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